難聴治療の現状とこれから

公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院

耳鼻咽喉科・頭頸部外科 特任部長

難聴・鼓膜再生センター長

金丸 眞一 先生

難聴や耳鳴りの原因と治療について

難聴や耳鳴りは、さまざまな原因で起こります。特に、病気が原因の場合、その病気の治療が重要です。たとえば、中耳炎による難聴の場合は、中耳炎の治療を行うことで改善が期待できます。

一方で、難聴の原因が特定できるケースは意外に少ないのが現状です。我が国では毎年4~5万人が「突発性難聴」を発症していますが、その正確な原因はまだ分かっていません。それでも、難聴が起こった場合には、できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診することで、正確な診断と治療によって改善する可能性があります。

進化する治療法と補聴器の役割

近年の医学や医療テクノロジーの進歩により、難聴や耳鳴りに対する治療法の選択肢が広がってきました。その中でも補聴器の技術革新は目覚ましいものがあります。現在では、小型・軽量化が進んだ補聴器が開発され、耳鳴りや雑音を抑えながら、一人一人に合った快適な「きこえ」を提供できるようになっています。これからもさらなる発展が期待されています。

また、認知症との関連が指摘されている加齢性難聴に対しても、補聴器は一定の効果があるとされています。ただし、注意が必要なのは安価な集音器です。これらは使用方法によっては内耳に負担をかけることがあるため、補聴器を装用する際には耳鼻咽喉科で診断を受け、適切なものを選ぶことが大切です。

鼓膜再生療法と未来への期待

我が国で開発された「鼓膜再生療法」は、世界初の再生医療技術として注目されています。この治療法は、耳の穴から短時間で行える手術で、体に傷をつけることなく正常に近い鼓膜を再生できます。これにより、これまで体への負担が大きかった中耳炎手術に代わる新たな選択肢として期待されています。

さらに、内耳性難聴の多くは、音を電気信号に変換する蝸牛内にある「有毛細胞」の障害が原因で起こることが分かっています。この有毛細胞を再生させる研究が世界中で進められており、将来的には内耳性難聴を克服できる可能性があると考えられています。

公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院
耳鼻咽喉科・頭頸部外科 特任部長
難聴・鼓膜再生センター長
金丸 眞一

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